山あいの美しい街「トロサ Tolosa」
トロサ Tolosa は、スペインの北東部、バスク州の山あいにある小さな街。
美食の街として世界的に有名なサンセバスチャンの街から、南の山の方へ30キロほど入ったところにあります。
実は、この山あいの人口1万8千人ほどの小さな街に、非常に興味深いコンフィズリー博物館があるのです。
Museo De La Confitería
この「コンフィズリー博物館 Museo De La Confitería」は、トロサで古くからお菓子店を営むゴロチャテギ (José Mari Gorrotxategi)氏が1981年に創設した博物館で、年代物の製菓機器が展示されています。
ドアを開けると
前の通りからは分かりにくいのですが、コンフィズリー博物館に一歩足を踏み入れると、奥が深くてビックリするほど多くの古い製造機が並んでいます。
アンテイークの製菓機器もきれいに手入れされているので、今にも動きだしそう。
こんなコンフィズリーの型もたくさんあります。
古いバター製造機
私の好きなアンティークのバター製造機。
(どこかの蚤の市で見かけたら、私もぜひコレクションしてみたいと思っています)
ところで、この博物館の展示物の解説は、全て「スペイン語」と「バスク語」の両方で書かれていました。
私は、チョコレートに興味を持ち始めてから「スペイン語は勉強しなくては」と思っていたのですが(なぜなら、チョコレートの歴史を辿って行くと、中南米からスペインなど、ほとんどがスペイン語圏なので)、でもこの博物館を訪れた時はまだ勉強を始めたばかりでほとんど読めませんでしたし、バスク語の方は動詞なのか前置詞なのかさえ分かりません。
「何が書いてあるのだろう?」と思いながら、持ち帰った資料を帰国後に翻訳してみたのですが、想像以上に重要な解説が。
スペインバスク、もっとしっかり見て来なくてはと思い知らされました。
ゴロチャテギ Gorrotxategi
お店には、様々なチョコレートタブレット、ボンボンショコラ、ケーキ類、スペイン菓子のトゥロンなどもあります。
「チョコレートを巡る旅(2)」にも詳しく書きましたが、バスク地方はチョコレートの歴史に関してとても重要な地域でもあります。
そんなバスク地方の小さな博物館で、チョコレート作りに関する古い製菓機器に出会えたことは、本当に貴重で幸せな体験でした。
実は、このトロサの街の南には、カトリックの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への重要な「巡礼ルート」も通っています。
この歴史的にも大変重要なスペインの地へ、ぜひもう一度訪れてみたいと思っています。
(写真撮影 2011年10月)
トロサの「コンフィズリー博物館」と「ゴロチャテギ」