掌の上の小さな芸術
私が「ドールハウス」の作成を始めたきっかけ
十数年前、ケーキのレシピ本を作成したり、若い人たちにお菓子作りを教える教室をしていた時期がありました。
でも、一生懸命作ったケーキもそのままで残しておけないのが宿命。
「どうにかして消えないケーキが作れないかなぁ」と悩んでいた時、偶然出会ったのが「ドールハウス」の世界でした。
ドールハウスは、基本「12分の1サイズ」に作ります。
素材は、木材、金属類、樹脂粘土、布類など身の回りにある全ての素材が利用できます。
ただ、たとえ12分の1とはいえ、実物の構造や作り方が分からないと本当にリアルな作品は作れないんですね。
たとえば、薔薇の花を作ろうと思ったら、花びらの裏にある萼(がく)がどんな形で何枚でどういう配置で付いているか、普段あまり目にしない部分まで調べなくてはなりません。
編み籠(かご)を作ろうと思ったら本物の籠編みの本を買って作り方を勉強する、アンティークのレジを作ろうと思ったらヨーロッパのアンティーク街に行って本物の古いレジを探し回るとか。
いずれにしても、どこまでこだわってミニチュアを作るかは個人個人に任されていますので、上質の既製品を買い集めてひとつのドールハウスにするという方法もあります。
実際に、様々な作家さんの芸術的なミニチュアを集めて作られた素晴らしいドールハウス・コレクションもあります。
私の場合は、
1.できる限り自分の手で作る
2.購入するのはどうしても自分の力で作れないものだけ
(例えば、自宅で焼けない陶器やガラス製品など)
と決めているので、そういうものはイギリスのドールハウスフェアに行った時などに専門の作家さんから購入したりしています。
ところで、作品をひとつ
いかがですか?
電気配線もしてあるので、電灯もちゃんとつくんですよ。
ひとつひとつのミニチュア作品については、また個別に説明したいと思います。