ウルフギャング・ステーキハウス Wolfgangs Steakhouse
ガラス張りでスタイリッシュな入り口
ニューヨーク(NY)の中心部、タイムズスクエアからわずか5分のところにある「ウルフギャング・ステーキハウス Wolfgangs Steakhouse 」のタイムズスクエア店です。
現在では多くの支店を持つこの有名ステーキハウスですが、NYの名門店で40年以上も活躍したウルフギャング・ズウィナー氏が2004年に独立創業した比較的新しいお店です。
(このタイムズスクエア店は2011年オープン)
日本では、今まで牛肉を選ぶ時に「いかに良いサシ(霜降りの脂)が入っているか」ということを基準にすることが多かったように思います。
「神戸牛」「近江牛」「松阪牛」など世界的に評価されるブランド和牛もありますし、上質な肉=霜降りという意識が強かったのではないでしょうか。
ところが、実は数年前から日本でも「赤身肉」に注目した「熟成肉ブーム」が起こっているのです。
「肉を「熟成」させるって、どういうこと?」については → こちら
NYはその「熟成肉ブーム」の大発信源ともいえる街。
「ウルフギャング・ステーキハウス」の店内
高く開放感のある天井、シックな木目を基調とした内装、とても落ち着いた大人の雰囲気を持つお店です。
ニューヨークタイムズ社ビルの1階にあるだけあって、ビジネスマンの会食にもピッタリという感じがします。
そしてこれが、この店イチ押しの「ポーターハウスステーキ」です。
この「ポーターハウス」という部位は、T字の骨を挟んで「サーロイン」と「フィレ肉」が1枚なるようカットされたステーキ肉です。
骨がTの字に見える点は「Tボーン」と似ていますが、同じ部位をカットしていても、Tボーンよりも「フィレ肉」の比率が特に高く(全体の1/3以上)、規定のさらに厳しいものが「ポーターハウス」と呼ばれています。
ちなみに、「アメリカ農務省(USDA)」では牛肉を8段階に格付けしていますが、この店ではその最上位「プライムグレード(出現率が全体のわずか3%)」の上質な肉を仕入れ、専用熟成庫で「ドライエイジング」させたものを使っているそうです。
そして、この上質な熟成肉を厚切りにし、驚くほど高温(約900℃)のオーヴンで一気に焼き上げていきます。
ステーキの表面が香ばしく焼き上がったら、黒く焦げた皿のフチからモクモクと煙が上がり、溶けた脂と肉汁がまだグツグツ沸騰している状態でテーブルまで運んでくれます。
ひとりひとりにカットしてくれるサーヴィスの手さばきも一種のパフォーマンスですね。(上の写真の大皿は、余分な脂が手前側に集まるよう皿に傾斜がつけられているんですよ)
そして、それぞれの皿に切り分けてくれたものがこれ
NYを案内して下さった中根さんお薦めの玉ねぎパンやサラダと一緒に
ステーキの表面はカリッと香ばしく、噛みしめるほどに口中に旨味いっぱいの肉汁があふれてきます。
なお、「熟成肉」は旨味以外にもカロリー面など様々な利点がありますので、今後もますます注目されていく食材ではないかと思います。
目的や好みに合わせて賢く選択することが大事ですね。
(写真撮影 2014年10月)
注)「ウルフギャング・ステーキハウス」は、2014年アメリカ国外での初の支店として東京六本木に出店しています。(2015年現在、日本国内での支店は3ヶ所)
ウルフギャング・ステーキハウス(タイムズスクエア店)