プロフィール
河田 昌子(かわだ まさこ)
自己紹介:
1956年山口県生まれ。奈良女子大学、京都大学大学院博士課程修了。
農学博士(食品工学専攻)
大阪の製菓専門学校で「食品学」を指導するかたわら、夜間部で学生として和洋中の製菓技術全般を習得。
独立後、「菓子職人」と「科学者」の両方の立場からお菓子作りの現場の取材を続けています。
現在も、世界的なお菓子のイベントを取材したり、顕微鏡や捕虫網を持って世界中のカカオ農園やヴァニラ農家を駆け回っています。
京都府在住。
趣味:
「ミクロの世界」全般を観察すること
科学的な研究以外にも、ミニチュア・ドールハウス作成など
フェーブ収集(現在1000個以上)
お菓子博士のポリシー
食の研究は「現場主義」で
私が、食の研究で最も大切にしていること、それは「現場主義」ということです。
たとえば、ひとつのお菓子を研究する時、まずそのお菓子の「ルーツ」を調べます。歴史的な出来事や宗教行事から生まれたお菓子もありますし、その土地の特産品から生まれたお菓子もあります。まず「なぜ、そのお菓子が生み出されたのかな」という背景を考えます。
そして次に、そのお菓子の生まれた国(街)へ行ってみます。
他の国でアレンジされたものではなく、そのお菓子の「原型(最初の形)」を見るためです。
たとえば、「シュバヴァルツヴェルダーキルシュトルテ」ならばドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方へ。「エンガディナーヌストルテ」ならスイスのエンガディナー地方へ。クイニーアマンならフランスのブルターニュ地方へというふうに。
そこにあるのは、大都市のお店で売られている洗練されたお菓子ではありませんが、そのお菓子が生まれた「必然性(その土地ならではの農産物、美しい山や森や海、その土地に生きる人々の信仰心や歴史観など)」が徐々に見えてくるのです。
ただ文献を見るだけではなく「とにかく行ってみる!」
アフリカでも、南米でも、ヨーロッパの田舎でも。
自分の目で見て、自分の手で触って考える。
この「現場主義」を、私は大事にしていきたいと考えています。